vocanoha

合成音声の音楽に、言の葉を捧ぐ:詩的なボカロ曲レビューサイト

quoree「透明」


涼しげな透明感と、まろやかな酩酊感とが折り重なり、淡い音響に瀰漫するエレクトロニカである。この思慮の先に、どのような感情が待っているのか。人はそれと知らずに、心の頁をくってゆく。そこにあふれくる言葉たちは、あるイマージュを形づくっては、次の刹那には消えてゆく。とめどなく、音も軽やかに。そうした束縛のない心のありようが、ここには描かれているのであろうか。(utakiki)