2022-01-01から1年間の記事一覧
ローファイな音色のよき、陰翳のある歌ものポップスだ。人は誰もみなこの世界に共存しながら、各々の情景のうちに生きている。たとえば子を想う母と、明日を想う子のように。しかしそれはバラバラに存在するわけではなく、それぞれの情景が折り重なることで…
エレクトロな音響の心地よい、ポストロックのポップチューンだろうか。人恋しさの加速する夜のハイウェイ。過去であると同時に、未来でもあるような空間を、夢想は走り抜けてゆく。あたかも時間が融けてしまったかのように。夢がかたちとなり、かたちが夢と…
ローファイな雰囲気も心地よい、ダウナーな歌ものミックホップだろう。治癒すると同時に色あせていった、過去の自分とその記憶。しかしある触媒にふれると、時間は振りだしに戻ってしまう。ゆきつくところは分かっていても、逃れようもなく引き込まれてゆく………
静謐な音響がノイズを引きたてるオルタナティブロックだ。それは洞穴の暗がりのうちに、今にもたち消えそうな灯を想わせる。しかし人生という照明は、いつでも消えそうでいて、容易に消えるものでもない。だからこそ苦しみはつづくが、同時に希望ものこる。…
こよなき香りのくゆる、お洒落な夜のポップスです。誰しも現実のなりわいから、せめて眠りのひと時は自由でいたいもの。しかしストレスの締めつけから抜けだすのは、願うほどにうまくゆかない。ただこの楽曲に身をまかせたなら、羊たちが導いてくれることで…
爽やかにリズミカルなポップチューンだ。たとえば夢の世界へといざなう、艶やかな玩具のように。そして願いはどこまでも、子馬のように駆けてゆく。ふと目が醒めたとしても、夢はそのまま、まだ手の届くところにあるような。そんな夜のまどろみへと導いてく…
ゆるふわとした雰囲気のうちに、棘のある優しさの感じられる、不協和音ポップチューンだ。とある都市の片隅に埋もれた、ある渇いた生きづらさを濡らしてゆくように。そしてその如雨露を手にしているのは、暗がりの夢想のうちにある、もう一人の自分なのだろ…
爽やかな淡いポップチューンだ。それは次元の壁に隔てられた、身近なアイドルのように、遠くて近い距離感を連想させる。思わせぶりな仕草に、何の意味もなかったとしても、それはある解釈を生みだしてしまう。そして応答と、またその応答と。連鎖反応で転が…
切迫感のただよう不協和音ポップチューンである。未来の予感に脈打つ動脈と、早くもかすみつつある視界、そして無闇に加速しながら空転する思考回路。つまりは流血と惨事の数秒間の時間の速さを連想させる楽曲だ。そしてたたみかけられる歌唱とともに、その…
雨だれの波紋を描く湖面のように、淡い音響の心地よい、歌ものエレクトロニカだ。感情のままに流露した言葉が、そのまま歌となる。それはある修練をへた感性にしかなせない業であろう。だとするとこの楽曲は、その到達した境地を、音楽的に表現したものかも…
爽やかに軽やかなポップチューンです。そして音楽のある生活の楽しさ、目に映るもの・肌に感ずるものを慈しむことの大切さ、そうしたことを無理なく伝えてくれる。ぐるぐるまきの憂鬱を、たどっていてはたどりつけない、すぐそこにある理想郷のような。つま…
渇いた音の轟く、歌ものポストロックである。あの星空のもと、あの波打ち際に、あの時の二人がいた。奇跡のように成就された世界の配列は、天体の運行とともに、残響の彼方へと消えてゆく。その記憶のまだ鮮明なうちに、あたかも映像のように投影された音楽…
ファンタジックな民族調の調子のある、跳ねるような歌ものポップスだ。この地球という舞台での、幾多の愛の奏でる命の循環を、ある物語のワンシーンのように描きだしてる。いつかは終わりがあればこそ、それを予感していればこそ、慈しみのような恋も生まれ…
爽やかな汗の香りのする、夏のポップチューンである。照りつける陽ざしの日々に塗りかさねられ、色香とともに記憶された情景と感情は、どこまでも鮮やかなまま色あせることがない。あのとき伝えたかった言葉のリフレインは、わずかばかりの切なさとなり、そ…
きらめくような性急さを感じさせるエレポップだ。まだ見ぬ何者かへと生き急がされる一方で、どこまでもゆっくりした時間のまだるっこさと。その狭間でますます高まっていく焦燥感が、ここにはよく落とし込まれている。それは青春のリアルというよりも、回顧…
水槽入りのタグがよく似合う、たゆたうような歌ものポップスだ。ただここで題材とされているのは、ゆれうごく恋愛感情ではない。そもそも人はなにがしかの自画像を、心の鏡に投影して、そこに映しだされた振りつけによって日々を生きている。しかし時にそれ…
水槽入りのタグがよく似合う、透明感のあるエレクトロポップチューンだ。人は誰しも、その内面にひとつの世界をもっている。自分しか知らないその反響を、夢心地に反芻してゆくような音楽であろうか。ここでは喪失の悲嘆もまた、どこまでも純化され美しい。…
透明感のある音響に、まろやかな音色の響きわたる、ポップエレクトロニカだ。幾多の生命がまるで泡のように、生まれてはかつ消えてゆく、この大自然の神秘に溶けこまれてゆく感覚。この宇宙にあっては、僕もそうだし君もまた、いつ失われても不思議ではない…
ダウナーにして流麗なジャジーポップと言えようか。アコーディオンの音色も、艶やかな徒花を添えている。なんらの意味を見いだし得ぬ実存であっても、命ある限りは、人は踊りつづけなければならない。ただ死を弄ぶだけの絶望であっても、感じ方次第では生き…
ローファイな音色のよき、エレクトロニカな質感のポストパンクであろうか。往々にして人とは、自らの実存のうちに、意味を求めてしまう存在である。しかし生きるときは生きるし、死ぬときは死ぬ。それだけの話に、模範解答なんてありはしない。ただ自分なり…
精神世界の投影されたアンビエント音楽といってよいだろうか。どれほど不条理にあふれていたとしても、そのままの世界をひたすらに肯定したい、祈りにも似た音楽である。世界のうちなる自分も、自分のうちなる世界も、ありのままにあるしかないのだから。そ…
青春の一コマを描いた、しっとりとした夜の歌もの。それでいてローファイな音色が、もう忘れたはずの傷心を思い出させてくれる。夜明けとともに離れ離れになって、それぞれに生きてゆかねばならない世のなかを、予感しながらうけとめている。やさしさのうち…
ジャンルで言えば、和風カントリーになるのであろうか。心地よい光と風を浴びながら、ゆったりとした時間の流れている、そうした田園のイメージが想起される楽曲である。そして初音ミクの歌唱に重なりあう、初音ミクのコーラスが、豊かな感情がつぎつぎと涌…
アンビエントな雰囲気を漂わせた、歌ものイノセンス。この空と大地のはざまに、ともにある多くの生命とともに、いま自分がたしかに存在している。この誰もが見過ごしながら生活している事実を、あらためて発見したときの驚きにも似た感覚に、この旋律と音響…
夢想的な歌ものエレクトロニカである。乾いた印象の音響に、甘いキーボードのハーモニーが心地よい。それにしても夢は不思議だ。この現実の刹那に対して、時間も空間も思いのままに行き来する、オルタナティブな世界。それははるか遠い記憶のようでもあり、…
冷たい質感の心地よい、リズミカルなエレクトロニカである。二つの感情が、惹かれあいながらもゆき違い、それでいて千切れることなく絡まりあっている。かつは冷静に感情を分析しながらも、けしてコントロールされることはない行動。ここにはある段階におけ…
ローファイな音響の心地よい、歌ものエレクトロニカ。つぎはぎだらけの情報のコラージュで装われた、孤独なる演者の自意識は、誰にもそれと知られぬまま、やがてはこの演目も終わる。真実を知るイマジナリーフレンドは、自分のなかの自分であって。これは現…
よれよれなローファイ加減のよき、現代の歌ものフォークと言ってよいだろうか。こうあるはずだった日常と、こうなるしかなかった現実との、埋めようのない齟齬を、何食わぬ顔で踏みこえながら、人は生きてゆかねばならない。しかしその齟齬は消えるわけもな…
リズミカルに抑揚のきいた、朗らかな歌もの。もう一人の自分に贈る、自分からのメッセージのように、ひとつの視線に優しさと厳しさが込められている。人は弱くもあり、それでいて強くもある存在だ。負の感情マゾヒズムから抜けだすための、心のキラキラをあ…
エレクトロニカな音響の、爽やかなポップソングである。たとえ相手が人であっても、なかったとしても、ともに生きるパートナーのいる生活はよいものだ。たいていの人は、純粋に自己のためだけには、生きられない存在なのだから。ペイントで描いたイラストの…