vocanoha

合成音声の音楽に、言の葉を捧ぐ:詩的なボカロ曲レビューサイト

モノ「ウサギの機械」


夢想的な歌ものエレクトロニカである。乾いた印象の音響に、甘いキーボードのハーモニーが心地よい。それにしても夢は不思議だ。この現実の刹那に対して、時間も空間も思いのままに行き来する、オルタナティブな世界。それははるか遠い記憶のようでもあり、時には未来の予兆のようでもある。その夢と歌との親和性が、この楽曲ではよく表現されている。休日の早朝のまどもみのような、優しい快感のある音楽といえようか。(utakiki)