vocanoha

合成音声の音楽に、言の葉を捧ぐ:詩的なボカロ曲レビューサイト

mayoi「マーメイド」


水槽入りのタグがよく似合う、たゆたうような歌ものポップスだ。ただここで題材とされているのは、ゆれうごく恋愛感情ではない。そもそも人はなにがしかの自画像を、心の鏡に投影して、そこに映しだされた振りつけによって日々を生きている。しかし時にそれは、泡のような波紋に覆われることもあろう。例えば人魚であったはずの自分と、もはや人魚ではありえない自分のように。そんなとき人はどうするか。もしかすると、たゆたうばかりでもよいのかもしれない。(utakiki)