どことなくポストロックの調子のある、淡いエレクトロポップチューンである。それは明瞭に知覚された、夢の世界を探求してゆくような。空間はもちろんのこと、時間に縛られることもなく。それでいて荒唐な無秩序というわけもなく、夢としての理路がある。言…
伸びやかなメロディと音色の、芳しい歌ものポップスだ。思いがけない期待でふくらんでゆく風船のように、このまま空までも飛んでゆくような。視界には紛れもない現実がありながら、心ははるか遠くにあるような。もうこの空から堕ちたってかまわない。そうし…
冬の地下鉄構内のような、淡い音響のエレクトロニカである。都市のうちにありがなら、そこでの人間の営みを、外部から冷たく眺めている。それは他者の喪失すらも、平然と受け入れてしまう冷たさかもしれない。そのとき私は、社会から疎外された存在という意…
涼しげな透明感と、まろやかな酩酊感とが折り重なり、淡い音響に瀰漫するエレクトロニカである。この思慮の先に、どのような感情が待っているのか。人はそれと知らずに、心の頁をくってゆく。そこにあふれくる言葉たちは、あるイマージュを形づくっては、次…
連休初日の雰囲気のゆるいチルホップですね。とあるホリデーの情景が、それぞれの心情とともに、生き生きと浮かびあがってきます。誰しも時間に追いたてられる現代社会にあって、せめて休日だけは束縛されずにいたい。音と言葉にはあらわれない、たしかな意…
どことなくフュージョンの調子のある、お洒落なポップスである。しかしその喚起する感情は、どこまでも儚く甘酸っぱい。鮮やかな記憶の夢に、目の前の光景はモノクロへと色あせてしまう。ただひとつ言えることは、あの過去があればこそ、いまここに私はこう…
どことなくモダンの調子のある、お洒落にダウナーな歌ものポップだ。残酷であればこそ、美しくもある世界にあって。生存とは、そもそも病理なのだという、その諦念は潔い。そして満身に傷を負いながらも、運命を見届けるために泳いでゆく。ある死生観がここ…
明るくリズミカルなポップミュージックだ。こんな半端な世のなかだから、半端な存在でもかまやしない。ただ自分はどこまでも、自分らしくはありたいだけ。そのためのクラブとビートのある生活は、きっと楽しいものだろう。誰かと一緒の回り道も、うらやまと…
ニューウェーブの調子のある、淡いエレクトロポップチューンである。どれほど精緻に科学が発達しようとも、人間には割りきれないものがある。それは私にとっての、私という存在だ。そして私の感情は、類型化されたパターンとして判断されることを、前論理的…
どことなくフュージョンの調子のある、歌ものポストロックであろうか。生命はどこから来て、どこへ去ってゆくのか…… それは誰にとっても不可思議なものだ。しかしこの世界に生まれくる前に、もし見ていた夢があったとするならば、それは例えばこの音楽のよう…
淡い音響に柔らかく流れ込んだ、歌ものエレクトロニカです。嘘も本当もない、言葉だけの世界への飛翔。それを夢見るとき、人の精神はどれほど自由になれることか。もとより矛盾という壁が張り巡らされた現実世界とは、けして相いれないものだが。しかしそれ…
透明感のある歌ものエレクトロニカだ。それは夜風の涼しさが感じられるような。オフィスも家屋も寝静まった深夜の散策には、都市も、昼とは違った顔をのぞかせる。だから自分も、思いのままの自分でいられる。言い訳のように、モンスターだけを道連れにして…
モノクロの映像によく映える、淡い疾走感のあるポップチューンだ。それは人生と呼ばれるハイウェイを、どこへとも駆け抜けてゆく感覚であろうか。加速するスピードは、僕に浮遊感を与えてくれる 。あれほどこだわった行く先は、もうどこでもかまわない。ただ…
エレクトロニカな音響に、淡く優しい音色の、リズミカルなポップソングである。記憶や思い出はたくさんあるけど、それに縛られるでもなく、清楚に今を楽しむような生き方には、自然体のイノセンスが感じられる。そう、人は何度でも今を生きなおせるのだ。夢…
ローファイな音色のよき、陰翳のある歌ものポップスだ。人は誰もみなこの世界に共存しながら、各々の情景のうちに生きている。たとえば子を想う母と、明日を想う子のように。しかしそれはバラバラに存在するわけではなく、それぞれの情景が折り重なることで…
エレクトロな音響の心地よい、ポストロックのポップチューンだろうか。人恋しさの加速する夜のハイウェイ。過去であると同時に、未来でもあるような空間を、夢想は走り抜けてゆく。あたかも時間が融けてしまったかのように。夢がかたちとなり、かたちが夢と…
ローファイな雰囲気も心地よい、ダウナーな歌ものミックホップだろう。治癒すると同時に色あせていった、過去の自分とその記憶。しかしある触媒にふれると、時間は振りだしに戻ってしまう。ゆきつくところは分かっていても、逃れようもなく引き込まれてゆく………
静謐な音響がノイズを引きたてるオルタナティブロックだ。それは洞穴の暗がりのうちに、今にもたち消えそうな灯を想わせる。しかし人生という照明は、いつでも消えそうでいて、容易に消えるものでもない。だからこそ苦しみはつづくが、同時に希望ものこる。…
こよなき香りのくゆる、お洒落な夜のポップスです。誰しも現実のなりわいから、せめて眠りのひと時は自由でいたいもの。しかしストレスの締めつけから抜けだすのは、願うほどにうまくゆかない。ただこの楽曲に身をまかせたなら、羊たちが導いてくれることで…
爽やかにリズミカルなポップチューンだ。たとえば夢の世界へといざなう、艶やかな玩具のように。そして願いはどこまでも、子馬のように駆けてゆく。ふと目が醒めたとしても、夢はそのまま、まだ手の届くところにあるような。そんな夜のまどろみへと導いてく…
ゆるふわとした雰囲気のうちに、棘のある優しさの感じられる、不協和音ポップチューンだ。とある都市の片隅に埋もれた、ある渇いた生きづらさを濡らしてゆくように。そしてその如雨露を手にしているのは、暗がりの夢想のうちにある、もう一人の自分なのだろ…
爽やかな淡いポップチューンだ。それは次元の壁に隔てられた、身近なアイドルのように、遠くて近い距離感を連想させる。思わせぶりな仕草に、何の意味もなかったとしても、それはある解釈を生みだしてしまう。そして応答と、またその応答と。連鎖反応で転が…
切迫感のただよう不協和音ポップチューンである。未来の予感に脈打つ動脈と、早くもかすみつつある視界、そして無闇に加速しながら空転する思考回路。つまりは流血と惨事の数秒間の時間の速さを連想させる楽曲だ。そしてたたみかけられる歌唱とともに、その…
雨だれの波紋を描く湖面のように、淡い音響の心地よい、歌ものエレクトロニカだ。感情のままに流露した言葉が、そのまま歌となる。それはある修練をへた感性にしかなせない業であろう。だとするとこの楽曲は、その到達した境地を、音楽的に表現したものかも…
爽やかに軽やかなポップチューンです。そして音楽のある生活の楽しさ、目に映るもの・肌に感ずるものを慈しむことの大切さ、そうしたことを無理なく伝えてくれる。ぐるぐるまきの憂鬱を、たどっていてはたどりつけない、すぐそこにある理想郷のような。つま…
渇いた音の轟く、歌ものポストロックである。あの星空のもと、あの波打ち際に、あの時の二人がいた。奇跡のように成就された世界の配列は、天体の運行とともに、残響の彼方へと消えてゆく。その記憶のまだ鮮明なうちに、あたかも映像のように投影された音楽…
ファンタジックな民族調の調子のある、跳ねるような歌ものポップスだ。この地球という舞台での、幾多の愛の奏でる命の循環を、ある物語のワンシーンのように描きだしてる。いつかは終わりがあればこそ、それを予感していればこそ、慈しみのような恋も生まれ…
爽やかな汗の香りのする、夏のポップチューンである。照りつける陽ざしの日々に塗りかさねられ、色香とともに記憶された情景と感情は、どこまでも鮮やかなまま色あせることがない。あのとき伝えたかった言葉のリフレインは、わずかばかりの切なさとなり、そ…
きらめくような性急さを感じさせるエレポップだ。まだ見ぬ何者かへと生き急がされる一方で、どこまでもゆっくりした時間のまだるっこさと。その狭間でますます高まっていく焦燥感が、ここにはよく落とし込まれている。それは青春のリアルというよりも、回顧…
水槽入りのタグがよく似合う、たゆたうような歌ものポップスだ。ただここで題材とされているのは、ゆれうごく恋愛感情ではない。そもそも人はなにがしかの自画像を、心の鏡に投影して、そこに映しだされた振りつけによって日々を生きている。しかし時にそれ…